田植えの研修に行って、「組織づくり」について学んできました。

 

 

 

 

 

車で4時間ほど。上越市へ。

今回は私たちのレストランで仕入れている「お米」の生産現場を訪問しました。

 

 

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メンバーはこの方たちです。

 

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1人、サンドイッチ屋の方が混ざってます。お米使ってない業態ですが悪しからず。

 

 

産地研修なので。まずは田植えから始めます。

 

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このままだと普通の田植え研修のようですが。 

 

 

 

 

 

 

 

その後、穂海の代表の丸田洋さんから聞いた「組織づくり」の話がとても面白かったので共有します。 

 

(丸田さん、お米の話と関係ないところピックアップしてごめんなさい。)

 

 

 

 

 

 

驚いたことに、穂海で働く従業員の平均年齢は33歳。ちなみに、農業従事者の平均年齢は67歳です。。。

 

 

 

 

 

これ普通じゃないです。

 

 

 

 

 

どうやって、そんな若い人たちを集められたのか。

  

 

丸田さんの答えをまとめると下記のようなことでした。

(めちゃくちゃ私の主観と憶測が入り混じっています。)

 

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1)ニーズやスキルに合わせて雇用形態を分けている。

 

 

 

穂海の従業員は殆どが非農家出身者です。

そもそも丸田さんが元々はエンジニアです。

 

 

 

世の中には「農業に携わってみたいけど、給料や労働環境が不安」という人は結構いるんですね。そういう人たちを受け入れられるように、雇用形態を「総合管理職」と「一般作業職」の2つに分けたんです。後者は「土日休み」「10時〜18時など定時就労」などの雇用条件にしています。そうやって就労の条件を軽くすることで、就労希望者の裾野を拡げることにしたんです。あとは、タウンワークに掲載したら若者から応募が増えましたね。

 

 

 

 

なんだかとても、今っぽい。

 

 

要するに、雇用形態に選択肢があることで。未経験の人でも挑戦できるような環境を整えたり、マインドを優先して雇用できる仕組みをつくっているわけです。

 

 

勉強になります。

 

 

 

実際、一緒に田植えをした中村さんも「一般作業職」という雇用形態があるから転職を決意した1人でした。

 

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穂海ウェブサイトより引用(https://www.houmi.jp/recruit/


 

 

 

 

私たちの事業部も、「変革型」と「ローテーション型」なんて呼んで、雇用形態によって「期待値」を分けています。今後は、ここに「就労条件」も加えて整理していくことで、応募者の裾野を広げていくべきかもなんて思います。

 

 

 

●「変革型」:店長や料理長のようなに事業を改善していくことに責任をもつ人たち

●「ローテーション型」:既存事業の継続と品質担保を業務の中心とする人たち

 

 

例えば、ローテーションの社員は「週2日休み」「1日8時間労働」「有休消化80%」のような「就労条件」にするとか。いや、すぐには無理かもしれないけど、「レストランの仕事に興味はあるけど給料や労働環境が不安」という人は結構いるかもしれないわけで、裾野は広がりそう。

 

 

 

丸田さんの話を聞いて。穂海のように多様な考え方をする個人を受け入れられる組織って素敵だなと思いました。羨ましい。

 

 

 

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2)テクノロジーの力で差別化できない作業を減らして、個人の生産性を高める。

 

 

「このベルトコンベアは2年前に導入しました」と嬉しそうに話す丸田さん。

 

 

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それまで、何千という苗を人力で運んでいたそうですが、ベルトコンベア導入によって、その仕事を丸ごと無くしたとのこと。

 

そして、例えばそこで使っていた100時間をもっとお客様の価値になる業務に投資します。種の消毒を手間のかかる熱湯での殺菌にするなど。より価値に直結する業務にリソースを投入しています。

 

 

これ、すごく勉強になります。

   

 

テクノロジーで代替することで品質が落ちない仕事があれば、その分の時間を人が関わることでしか価値にできない仕事に使う。もしもウォッシャーの性能を上げることで、皿洗いの時間が10分/日削減できたら、その10分間でお客様に気の利いた言葉を掛けに行ったりするとかね。笑

 

 

 

また、テクノロジーの例で言えば。私たちが仕入れさせていただいてる「ちほみのり」という品種も、穂海の組織づりに貢献しているのではないかと思います。

 

(ここは完全に私の憶測です!)

 

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穂海では十数種類のお米を栽培しており、「ちほみのり」は極早生と言われる品種です。種を蒔いてから収穫できるまでの期間が非常に短い品種ですね。そして、新潟県の主要品種は「こしひかり」で中生品種です。

 

 

 

穂海では、早生品種と中生品種、さらに晩生品種と組み合わせて栽培しています。

 

おそらく、そうすることで従業員一人当たりの生産性を増やすことに成功しています。収穫時期の異なる品種を育てることで、収穫のタイミングをずらすことができます。

 

 

もしコシヒカリだけ育てていたら、同じ時期に大量に収穫しないといけないので、1人が収穫できる量には限界があります。

 

===

 

「こしひかり」だけしか栽培していない場合

10日間で毎日10時間コンバインに乗って1時間に10kg収穫できた場合

10*10*10=1000kg

 

 

 

早生、中生、晩生をバランスよく栽培している場合

30日間で毎日5時間だけコンバインに乗って1時間に10kg収穫すると。

30*5*10=1500kg

 

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1時間あたりの収穫量(生産性)が同じでも、収穫期間が長くなると年間の一人当たりの生産性が後者の方が大きくなります。何より、10時間コンバインに乗り続けるよりも、5時間でいいという状況の方が、健康的に働ける気がして魅力的です。

 

 

 

 こういう取り組みが、若い人を惹きつけている要因ではないかと思います。テクノロジーの力で一人一人の年間の生産性を高めつつも、1日の労働時間を圧縮できたら面白いですもんね。この辺は飲食業でも取り組む価値があるテーマな気がします。真剣に。

 

 

 

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ということで、チーム穂海は、平均年齢33歳と農業界では異例の組織を作り上げていました。

 

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http://www.maff.go.jp/j/study/work/attach/pdf/01_haifu-10.pdf


 

 

 

 

 

この記事、お米の話が殆どないですね。。。「ちほみのり」についてはパンフレットもらったから配りますね。読んでください。笑

 

 

 

 

 

 

次は9月頃に「ちほみのり」の収穫があります。若手チームで収穫合宿を予定しているので、お愉しみに。

 

 

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ちなみに、私は足を負傷していたので田植えはしていません。

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:)

 

 

(※写真は全て穂海の横山様の撮影です)