2017/08/11(函館の朝市場で獲れたてのイカを食べて感動した話)
函館の朝市場で獲れたてのイカを食べて感動した話。
あ、でも感動したのは。
正確には"イカ"ではなくて。
食堂の"オジちゃん"です。
その日の僕のオーダーは以下の通り。
・イカソーメン(名物らしいが要はイカ刺し)
・グラスビール(朝からごめんなさい)
・磯たっぷりの味噌汁
まず、ビールが来ました。
休みの日の楽しみですね。
そこで、オジちゃんが一言。
「味噌汁は食後に持ってくるから」
おお。
そうです。
ビールと味噌汁は、拝啓と敬具みたいなもので、一緒には並べないですよ。前菜とデザートまとめて食べる人はいないのと同じ原理原則。
という僕の口には出していない気持ちを、ずっと汲んでくれる一言。
嬉しい。
そして次に出てきたのが、イカソーメン。
「これね、頭の部分はまだ食べないでおいてね。ソーメンの後に、"バターで焼いて食べる"もよし、"刺身にして食べる"もよし。どっちか選んでちょうだい」
おおお!
680円のイカソーメンでそこまでしてくれるんですか。さながら、フルコースのプレフィックスです。
しかも。
そのイカの頭は切り落としたばかりだから、動いてるんですよ。それで、普通はそこの新鮮さをアピールするのに、それは見ればわかるでしょ、みたいな。わざわざ説明など野暮なことはしない。オジちゃんはあくまで食べ方の提案をしてくれたんです。
多分。
僕が一人客で、しかも手ぶらで、カメラ持ち歩いているようなthe観光客ではなかったから。イカの新鮮さに関するアピールとかはなかったのだと思います。
つまり。
このオジちゃんのスゴイところは2つ。
1)お客さんが口には出していない要望を、かなり的確に汲み取っているところ。おそらく、オジちゃんの脳内では、これまでの経験から、お客さんは4種類くらいに分類されているのだと思います。
2)イカソーメンという朝市場においては非常に差別化しにくい商品(素材が同じ港で獲れるイカだから)を、食べ方をお客様に選ばせることで、体験価値を付随させたところ。きっと、最初はすべて刺身にしてたのを、誰かが焼いて欲しいとか言い出して、それをサービスにしたんだと思いますが。
まさに。
こういうサービスがしたいです。
ということで。
目指せ、朝市場のオジちゃん!笑
じゅうじゅうと焦げ目をつけていただいたイカの頭をつっつきながら、ビール片手に、お店のサービスにつおて考えた、函館の朝でした。
:)