2017/06/28(”言葉”以上に伝わってしまうことがある、ということをお客様から教えていただいた、という話)

 
 
 
 
何を隠そう。
レストラン人生はまだ1歳の、よちよち歩きなものですから。
 
 
 
 
この1年間。
お客様に随分と叱っていただきました。
ときには、本社宛のメールで。ときには、置き手紙という形で。ときには、客席で。
 
 
 
 
そんな中でも。
 
 
「あそこで叱っていただいたから、いまの僕は一応、店長やれているな」と。
勝手にとっても感謝している話があるのです。
 
 
 
 
 
店長になってすぐの頃。
平日のランチタイムだったかな。
 
 
C15に大人3名様でコース料理をご注文したお客様。
僕は確か。アテンドか何かをしていたと思います。
 
 
 
事件は起きました。
髪の毛の混入。
 
 
スタッフから「お料理をすぐに新しいものにお取り返して、今は食事を続けてらっしゃいます」との報告で。それなら大丈夫かな、と僕は思ったんですね。食後のタイミングで、謝罪しに伺い、ついでにデザートでもサービスしておこうかと。
 
 
 
で、その通りにしました。
 
 
 
「先程は髪の毛の件でご迷惑おかけして申し訳ございません。こちら、お店からのサービスですので、もし宜しければお召し上がりください」
 
 
 
そしたら。そのお客様の表情が歪んだんです。
 
 
ぐにゃ、って。
 
 
「あのさあ、、、まあいいや。後で言う」
 
 
 
それで。
 
 
そのお客様。レジが空いているタイミングで会計にいらしてくださって。
 
 
 
「君、そんな働き方をして恥ずかしくないの?」
 
 
 
えっ、、、
 
 
 
一瞬、頭の中が真っ白になりました。
 
 
 
 
「まずさあ、順番が逆でしょ。デザート持ってくる前に、なんで責任者の君が謝りに来なかったの?それにさ、僕らの気持ちを考えてないよね?せっかくお店まで来て、ワクワクしながら注文した料理に髪の毛が入っていてさ。食事を続ける気になると思う?それを、デザート持ってきて、どうぞ、なんて言われても。これでさっきの件は許してくださいって、言ってるのと同じだよ。それはさ。いくらなんでも僕らのことを馬鹿にしていない?君は社長にお店を任せてもらってるんでしょ?お客さんのこと本気で考えたことある?軽く見てるのがバレバレだよ」
 
 
 
 
って。
 
 
 
すごく淡々と。
だからこそ本気なのが伝わってくる言い方で。
 
 
そのときは、足が震えました。
それから、営業中なのに泣きそうになりました。
情けないですけど。
 
 
 
とにかく悔しかったんです。
 
何も言い返す言葉が見つからなかった。
 
 
 
店長になって半年ほど経った今。このお客様の仰ってくれたことが。
本当にね。よくわかります。
 
 
お客様には伝わってしまうんですよね。
僕らが、どれくらい真剣にお客様に向き合っているか。
 
 
 
 
 
 
先日、ホリケーがお客様から賞賛を頂きました。
 
 
その文面の中に「接客業って こうでなきゃ?と、久しぶりに感激したサービスにあいました」という一文がありました。お客様の質問に対する、彼女の切り返しがウィットに富んでいて、感激したと。
 
 
でもね。きっと、それだけじゃないんです。
 
 
彼女の言葉の”根っこ”なんじゃないかなって。
ホリケーの根本にある”想い”みたいなもの。 
 
 
 
「お客様の大切な時間とお金を預かっているのだから、お店で素敵な時を過ごしていただきたい」
 
 
 
そういう思想が根本にあるから。
それが伝わったから、お客様は感激したんじゃないかな。
 
 
 
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さて。
 
 
どこまで本気でお客様と向き合っていますか?
「これぐらいでいいんじゃない」
そんな気持ちで、接客してませんか。料理をつくってませんか。
 
 
 
ドキッとした人は気をつけてください。
半年前の僕と同じように。
 
 
 
 
お客様にね。
僕らの”根っこ”は伝わってしまいます。
 
 
だから、お店はみんなが素敵な”根っこ”を育める場所でありたいですね。
本日も忙しいと思いますがウィットな営業を宜しくお願い致します。
 
 
:)