店長(リーダー)に必要なことは旗を振ることだけではなくて、足跡を残すことではないかという気づき。

 

 

 

店長に求められる仕事って、「こうありたい」という未来を描くこと。要するにビジョンを語って、旗を振って、チームを一枚岩にすること。そういうことだろうと思っていました。昨日まで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、実はそれだけじゃないんだと。昨晩、クローズ後に岩田さんの買ってきたボトルを2本空けて、少し酔いながらも、テツさんが言っていることを聞いて、気がつきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大ちゃんが異動してきたとき。最初から使命感を持って仕事していたから、こっちももっともっとやりきろうと思った」と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もしも皆の中で、この先、リーダーとしてチームをつくる立場になる人がいたら、そのときに、ちょっと役に立つことかもしれないので、この気づきを共有します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

店長(チームをつくる人)に求められるのは「旗を振ること」と、もっと大事なのは「足跡を残すこと」かもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

足跡って。その人の人生そのもののこと。どういう生き方をしてきたのか。何をやってきたのか。そういう実際の1つ1つの行動が、その人の足跡として残っていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、一緒に働く仲間はそれを見て、その人と一緒に働きたいかどうか、判断するんじゃないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分の言葉や行動に。

体重をかけているか。

体温をのせているか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうやってリーダーが体重かけて、体温のせて、残した足跡があるから。目指すべき旗にも。もしかしたら本当に辿り着けるんじゃないかと、仲間も信じられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だから、逆に。どんなに正しいことや、素晴らしい未来を描いても、そこに本人の体重と体温がのっていなかったら、足跡は残らない。誰も本気でその山を一緒に登る気にはならないと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

詳細な地図と、最先端の道具は持ってるけど、家の中で計画だけ立てている人と。

手書きの地図と、旧式の道具しか持っていないけど、毎日必ず山に行く人と。

 

 

 

 

 

 

 

頂上にたどり着けるのは、どっちの人でしょうか。そして、あなたはどっちの人と一緒に登りたいでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だからね。

大事なんです。

 

 

 

 

 

体重をかけて、体温をのせて、足跡を残す。

 

 

 

 

 

 

 

しかも、これやり方は簡単。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その仕事のことを誰よりも考える。

その仕事に誰よりも夢中になる。

その仕事を誰よりも愉しむ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だって、やっぱり腹の底から思ってることは伝わるじゃないですか。重量と温度と一緒に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ということを、別に意識してやってきたわけでもなく。ただ、本当に誰よりも愉しんでいるだけなのですが。

 

 

でも、僕がいつでも全力で体重をかけて、体温をのせているから。振ってる旗がちょっと(結構?)ズレてたりしても。

 

 

(スタッフのための納涼会の空間演出やコンテンツづくりにめちゃくちゃ時間かけちゃってることや、お店の利益には一切ならないサヤの友達のフラッシュモブの演出に口出し過ぎて休日にまで彼らと打ち合わせしてたりとか。)

 

 

 

きっとみんなが修正してくれつつ、時には黙認してくれつつ、一緒に山登ることを愉しんでくれているのが、我々のお店なんじゃないかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未来のリーダーの皆さん。

※ちなみに立場や肩書なんて後でついてくるものだからあまり重要ではなくて、自分がリーダーだと思ったらもう今から貴方もリーダーです

 

 

 

 

 

 

 

まずは自分自身に質問してください。

 

 

 

 

 

 

 

ちゃんと足跡を残せていますか?

 

 

 

 

 

 

 

以上。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、次は皆で、どんな景色を見にいきましょうか。そんな話を納涼会でもできたらいいな。

 

 

 

 

 

 

:)

私たちの正解はいつだって「お客様に小さなことでも嬉しく感じてもらうこと」それだけなんじゃないかな、という話

 


「それなら、メインもパスタも別の機会にしましょうか」

 

 

 


昨日の話。

 

 

 

 

 

久しぶりの青空に気分が良くなり。
そうだ父さんにネクタイでもプレゼントするかと。
思い立って、実家へ帰ることに。

 

 


母さんに連絡すると。
「夕飯はミートソーススパゲッティの予定」とのこと。
いいね。レパートリーの少ない私の母ですが。
ミートソースは沢山の野菜を細かく刻んで、じっくりと煮込んでくれる。
とってもおいしい一皿。

 


吉祥寺のgiraffe(ネクタイ専門店)にて、店員さんと相談しながら。
胸元に「正面を見据える金魚」が織られたネクタイを購入。
そうして更に気分が良くなり。

 

 

 

 

 

 

 

まだ夕刻前でしたが。
せっかくだから。(なにが?)
ミートソースの前に、少しだけ飲んでから帰ろうかなと。

 

 

 

気になっていた浜田山のイタリアンに。
リグーリア州で修行したというシェフの土着系イタリアン。
黒板に並ぶメニューを眺めているだけで愉しい。

 

 

サービスの方の説明を聞いていたら。
ミートソースのことなんて、すっかり忘れてしまい。
自然と。前菜、メイン、パスタと組み立て始める私。

 


「とりあえず、前菜盛り合わせてお持ちしましょうか」と。
そうしましょう。あ、ワインも忘れずにお願いしますね。

 


「お住まいがこの辺ですか?」
いえ、あざみ野です

「え、遠いですね」
実家がこっちなんです

「ああ、帰られるんですね」
はい、母のミートソースを食べに帰ります

「これからですか?」
はい。。。

「(苦笑)」
。。。

という会話があり。

 

 


笑顔の爽やかな眼鏡の男性スタッフから釘を差されました。


「それなら、メインもパスタも別の機会にしましょうか」
。。。はい


「そのかわり、前菜でも温かいものがありますから、こちらなど如何ですか」と。
それ食べます!

 

 


茹でた白アスパラガスと生ハム、チェダーチーズに温泉卵。
それにシャルドネを合わせていただいて。


ああ、美味しい。
お腹に余裕を残しつつ。

 


それでは、私。ミートソースを食べに帰ります。
「はい、またお待ちしております。次回は是非、当店のパスタも召し上がってみてください。」
はい、必ず。

 

 

いいお店だ。
早速、次は家族で行くことにしましたよ。

 

 

 


何を伝えたいかというと。

 


飲食店で働いていると、ついつい。
「お客様に1円でも多くのお金を使ってもらうこと」
それを「正解」と考えがちだけど。
なんか違う気がする。違和感がある。 

 

 

 

 


「お客様に小さなことでも嬉しく感じてもらうこと」
こっちが「正解」じゃないかな。

 

 

 


高齢のお客様があまり食べられないというので。
ハーフサイズの食事を提案しました。
お店の売上は半分になるかもしれません。
でも、そのお客様はきっとちょうどいい量で満足してくれます。

 

 

 

3人組のママたちがフレンチトーストを一人一つ注文。
いや、それは量が多いかもしれないので。
まずは1つにしてシェアしてみませんか、と提案しました。
お店の売上は3分の1になってしまいます。
でも、お客様は食べきれないなんて不幸を回避できます。

 

 

 

 

乾杯だけ一口づつビールが飲みたいな、と小耳に挟んだので。
そしたらグラスのビールを半分に分けてお持ちしますよ、と提案しました。
これまた売上は半分になります。
でもお客様は希望通り一口づつビールが飲めて嬉しいはず。

 

 

 

安売りしていいという話ではないです。
(上記の例はどれも安売りはしていません。適正価格をいただいています)


そうではなくて。
「売上や利益を増やすこと」を目的にしないで欲しいという話です。

 

 

売上が小さくなったしても。
「お客様が嬉しく感じること」を続けていけば。
お店はちょっとづつですが、確実に成長していきます。

 


ハーフサイズを提案させていただいたお婆ちゃん。
毎週お店に来てくれる常連様になりました。

 

デザートを食べた3人組のママ。
今度は家族を連れてきてデザートも沢山食べてくれました。

 

ビールを半分にして持っていったお客様。
結局、ワイン2杯に鹿肉まで食べていかれました。

 

 

 


ね。
大丈夫。笑

 

 


売上や利益は。
自分たちがやりたいことをやって。
その結果として残ればいい。
くらいに考えていいでんじゃないかな。

 

 

 

 

もちろん。

「嬉しく感じてもらえるようなこと」をするのは簡単じゃないです。
十人十色のお客様の「こうして欲しい」を敏感に嗅ぎつけて。
それを叶えてあげるための方法を、数分の時間でひねり出す。

 

 


でも、そっちのほうがワクワクしませんか。

 

 

客単価を上げるためにいってこい!と言われたら。
私はやる気が出ない。笑

 

 

それよりも。
どうしたら目の前のお客様に嬉しいと感じてもらえるか必死に考えてみて!と言われたほうが。俄然やる気が出てくるのです。そっちのほうが愉しい。

 

 


だから。

うちのお店では「客単価を上げるために」は禁止します。
「お客様に嬉しいと感じてもらうために」のみ歓迎します。

 

 


そんなことを考えながら。
母のミートソースを食べております。

相変わらず、これは本当においしい。
栄養不足の息子のためか。

野菜が多すぎてもはや煮込みみたいだけど。
それも、また嬉しい。

 

 

:)

 

 

 

 

 

 

不器用な僕でも一点突破すれば居場所はつくれたよ、という話。

不器用な人たちへ。

正確には。

僕と同じで不器用な人たちへ。笑

あずささんとかね。ひとみさんとかね。凄いんですよ。まだ1年経ってないのに。気がついたら、アテンドもデシャップも。もちろんお客様への心遣いも。僕の想像を超えた仕事をしていますから。滅茶苦茶、器用なんです。要領がとてもいい。

(もちろん、それだけじゃないんだよ。2人とも努力するという才能を持ってます。それは書き始めると長くなるので、別の機会に。)

週末のオーダー漏れ。悲しいし、反省しないといけないことですが。お客様の様子がおかしいな、と気がついてくれたのは瞳さんでした。お客様のことをちゃんと見ているから、気がつくんですよね。本当に素晴らしいことだと思う。

さて。

不器用な人たちへ。

いいんですよ。全部できなくても。

1人でお店やってるわけじゃないから。

僕を見てください。

オーダーとったら間違える。

(本当にすいません)

ドリンク入ったらソーダで割るところを水で割る。

(本当にすいません)

キッチンには立ち入り禁止。笑

(本当にどうしようもない)

まあ、薄々気がつくわけです。あ、向いてないって。笑

そもそも。お店に異動してきて最初に腰をやられて、整体師さんに「立ち仕事向いてないんじゃない」とか言われちゃう始末ですからね。

(そんな人間が店長やってるわけで。みなさん、いつも本当にありがとうございます)

だから、分かるんです。

不器用な人間でも、大丈夫だって。笑

簡単です。

器用な人が1時間で習得できることを。10時間かけて学べばいいんです。そして、100時間くらい考えて、やってみたらいい。

僕はこの1年間。ほぼアテンドだけやってます。月に100時間ほど営業に入っていて、その80%はアテンドだから、80時間。1年でほぼ1000時間。アテンドやってることになります。

1日200人のお客様をで迎えるので、月で6000人。そのうち半分を僕が出迎えてるとして、1年間で、36,000人をアテンドしてるかもしれません。

これだけ同じことを繰り返しているとね。

飽きるんですよ。途中から。笑

だから、誰にも頼まれていないのに工夫を始めるわけです。自分が愉しむために。

例えばこんな感じ。

●どうしたら最初の挨拶に毎回心を込められるかな?

→一瞬で相手を好きになろう。そしたら自然な笑顔ができる。相手の目を見て。今日、数ある選択肢の中からお店に来ることを選んでくれた、そのプロセスを想像するんです。そしたら、自然と自意識が満たされる。ああ、私たちを選んでくれてありがとうございます。みたいにね。笑

●どうしたら子連れのファミリーに気分よく過ごしてもらえるかな?

→最初に子供に話しかければいいんだ。返事があってもなくてもいい。大事なのはママの気持ち。パパの気持ち。このお店の人は、子供のことも尊重してくれるんだって。それだけでママたちは安心してくれるかもしれません。だから、子供がいたら、まずはその子たちに向けてメニューの説明もしています。

●どうしたら初来店の方にお店に興味を持ってもらえるかな??

→ファミレスらしくない説明をしよう。きっとギャップがあって面白いはず。「シェフの実家があるので沼津の漁港から魚を送ってもらってるんですけどね」という枕詞を入れるだけで。え、ファミレスだよね?となります。お客様の聴く姿勢が急に真剣になるので面白いです。

と。

書き始めるとキリがない。もはや、本書けるかも。「大切なことは全てアテンドから学んだ」とかのタイトルで。笑

さて。

だから。不器用な人たち。

まずは、自分の得意なことを一つ作ってください。

そうやって、自分はこの領域に関しては誰よりも考えてます、って。そういう自負を持って欲しいんです。

そこからね。

仕事が信じられないくらい楽しくなります。

一点突破すると、そこから色々広がります。

不器用というの武器を持ったアナタ。

期待してます。

どんか小さなことでもいいから。

誰にも負けないことを一つ。

それがアナタらしさになることを。

:)

予約をとるときの魔法の言葉を教えちゃう。

 
1人でフルコース食べたことありますか。
 
 
 
 
私はあります。
 
 
 
 
 
 
寂しいヤツだなと思った、そこの貴方。
 
 
 
 
 
その通りです。寂しい。笑
 
 
 
でも平日休みだとね。
1人で行動する時間が必然的に増えるんです。
 
 
 
 
 
そこで、何がしたいか。
自分に問うてみるわけです。
そうするとね。結局。
とにかく美味しいものが食べたい。
となるんですね。
 
 
 
最近は賢くもなったので。
休みの日に行きたいお店をリスト化。
先々まで予約を取るということまでしてます。
ね、寂しいでしょ。笑
 
 
 
 
で。
 
 
 
 
先週の話。
 
 
 
三軒茶屋にあるイタリアンに電話したんです。
1人なんですけどランチ予約できますか、って。
 
 
で。
 
 
 
そのとき。男性のスタッフの方が対応してくださったのだけど、ある一言に痺れました。
 
 
 
最初、言われたときは、あまり聞き慣れないフレーズだったので「えっ?」ってなったのだけど。
 
 
でも、意味が理解できて。
 
 
わあ。
なんって素晴らしい一言なんだろうって。
ちょっと震えました。
 
 
 
 
 
魔法のような言葉なんです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
マネージャー
「では、●●日の●●時から一名様でお席お取りしておきますね」
 
 
 
 
 
「はい、宜しくお願いいたします」
 
 
 
 
 
マネージャー
「ミヤガワ様、ちなみに。何かこちらでお心遣いできることなどございますか」
 
 
 
 
 
「えっ??とんでもないです。席だけ用意していただければ、充分です。楽しみにしております」
 
 
 
 
すごく良くないですか。
 
 
 
 
 
 
 
 
「お心遣いできることなどございますか」
 
 
 
 
 
 
 
って。
 
 
 
 
 
なんですか、それ。
 
 
 
 
 
 
この一言の凄いところは2つ。
 
 
1.お客様の潜在的な(自分でも気がついていないかもしれない)ニーズを掘り起こせる、かもしれないこと
 
 
 
例えば。既にお店でコレを真似してみてるのですが。早速、掘り起こしまくってます。実は妻のと結婚記念日で、とか。(プレートを提案しました)毎年恒例の親戚の集まりなんですよ、とか。(個室とコースを提案しました)
 
質問されることで。予約する側もその場で考えるわけです。「えーっと、何かあるかな」と。「あ、そういえば、、、」と続いたら、その内容はお店にとって大事な情報になる可能性が高い。
 
 
2.
第一印象から大事にされてる感が伝わり過ぎてお店のことが無条件に好きになってしまう、かもしれないこと
 
 
 
同じく。魔法の言葉で、「実は姉の誕生日で」という情報を引き出したのですが。なんと会計の際に。「プレート素敵なのをありがとう。初めて来たんだけどね。電話の対応から親切でとても嬉しかっわ。いいお店ね、ありがとう、また来ます」と。
 
 
貴方のために私にできることはありますか。なんてことを、普通の生活の中で聞かれることないですよね。あんまり。だから、それだけで。特別なものを贈られた気分になってしまうんですね。きっと。
 
 
 
 
 
どんなに忙しいときでも。
その一言を添えるだけ。
それだけのことなのに。
 
 
 
 
 
 
 
本当は僕が見つけた「魔法の言葉」なので。内緒にしておこうかと思ったのですが。
 
もし使いたい人がいたら使ってもいいですよ。
 
 
 
 
 
 
「何かお心遣いできることはございますか」
 
 
 
 
って。
 
 
 
:)

 

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メインディッシュのカトラリーは好きなものを選んでください。

素敵なお店です。ペペロッソ@三軒茶屋

 

 

 

シェフと畑に行ってみたら、想像以上に面白かったので、みんなにも共有したくなった話。

 

小泉さんの畑に行ってきました。

 

 

 

 

 

今回の僕が感動したポイントを3つほど共有します。

 

 

 

自分たちのお店で使っている食材に関して。

みんなの理解と愛がちょっとだけ深まったら嬉しいです。

 

 

 

 

まずは畑の場所をおさらい。お店からは車で1時間ほどです。

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少し山の方に少し入ったところに、畑はあります。

小泉さんの第1印象は「ジャパニーズヤクザ」です。

サングラスと小型のナイフが似合いすぎていました。

 

 

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※右が小泉さん、左はテツさん、渡しているのは試作中のトレビス



 

 

 

 

 

【1】うちのシェフは、食材の開発にまで口を出してました。

 

 

 

テツさんは毎月、秦野に行くのですが、そんな毎月毎月、何しに行ってるんだろうと訝しくも感じていたのですが。謝罪します。スゴイことをしてました。

 

 

小泉さん「ねえねえ高橋さん、次はこんなの育ててみたんだけどどうかな?」

テツさん(その野菜を食べながら)「ああ、これはサラダでは辛すぎるけど、パスタとか熱い料理のトッピングしたら味が引き締まっていいかも、どれくらい収穫できますか?」

 

 

とか。

 

 

テツさん(新芽を指差して)「あ、これうちの縞茄子ですか?」

小泉さん「そうだよ、ここの2畝はあざみ野の分だよ」

テツさん「去年、デリカテッセンで茄子のタルトが好評だったから、今年はそれようの茄子を小泉さんにつくっていただこうと思って」

 

とか。

 

 

つまり。食材の開発からシェフが関与してるわけです。

 

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※野菜の気持ちを全身で理解しようとする意識の高いシェフ

 

素晴らしい!!

 

 

ゆくゆくはフルとハーフで野菜作ってもらうとかね。

フル人参とハーフ人参。フル小松菜とハーフ小松菜。

 

 

 

 

 

 

【2】なんでも愉しんでくれる小泉さんのキャラクターが凄いです。

 

 

小泉さんは多品種の野菜を少量づゝ育てています。

そして、とっても好奇心旺盛。

 

 

だからシェフからの無茶な要望も愉しんでくれる方です。

例えば、二子玉川のシェフとの会話も面白かったです。

 

 

小泉さん「イタリア野菜やってみたけど、思うようには育たないね。このトレビスもなかなか結球がぎゅっとしないんだよ」

加藤さん(二子玉川のシェフ)「イタリアとは土の湿度や太陽との距離が違いますからね。でもこれはこれで何か使えるんじゃないですかね、もらってもいいですか?」

小泉さん「いいよ、一つ持っていって。あと、教えてくれたイタリアンパセリは上手にできたから使ってみる?」

加藤さん「ありがとうございます」

 

 

みたいな。

 

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※加藤さんのためにつくったイタリアンパセリ

 

加藤さんにお願いされて、初めての野菜にも挑戦しちゃう小泉さん。

きっと、毎日、試行錯誤しながら、新しい野菜づくりを愉しんでらっしゃる。

 

 

 

 

 

 

【3】小泉さんとの会話から妄想が広がります。

 

 

 

 

小泉さん「それ触ってみな」

僕「これですか?」

小泉さん「触った手の匂いかいでみて」

僕「...おお!」

小泉さん「すごいでしょ?ハーブの香りって」

僕「すごいです。これお店でコドモたちに体験してもらいたい」

 

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※一言にバジルといっても、シナモン、レモン、ペッパーと様々な香り

 

ということで、畑に行くことでアイディアも生まれます。

これからは僕も顔出すことにしよう。

 

 

>岩田さん

テラスに早くハーブ畑をつくりましょう。

「前菜:ハーブの香りのする手で食べるカプレーゼ」とかやりたい。

 

 

 

 

 

以上。

 

 

小泉さんの畑レポートでした。

 

 

 

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※デリで登場している”新玉ねぎ”のサラダ

 

 

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※セルバチコは”オマール海老のおじや”のトッピングとかで使います



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※”茄子のタルト”で使う予定の縞茄子の新芽



 

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※花束みたいなサラダ用の野菜たち

 

 

もしも畑に行ってみたい人がいたら、テツさんまで。

 

 

 

 

:)

 

 

 

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その仕事は"自分事"になっているかどうか、その一線についての話。

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昨晩の話。

60代後半くらいの女性がラザニアを注文しました。ところが、想像していたものよりも「固い」とのことで、満足して頂けなかったようで。野菜の歯ごたえをウリにしていたのだけど、それが事前には伝わってなかったことで、もっと別物を期待させてしまったらしく。

ここまでが、ユウから僕への報告の内容。

このさきが、そこに対するユウたちの行動。

問題は牛蒡と蓮根が入ってることが事前に伝えられなかったことだから、ラザニアの内容も黒板に書くことにしようと。(この解決策自体はもしかしたら岩田さんとかと相談して決めたのかな?)

それで営業終了後にユウは10枚近くある黒板の文字を全部消し始めました。そして、全て一から書き始めて。僕はその様子をFL入力しながら横目で見てたのだけど、まさか全部描き直すとは思わなかったので、ちょっと驚いたんです。

しかも。

それを。同じく仕事終わりのマイが手伝い始めたときには、え、この子たち凄いなって思いました。

えらく自然な感じで。お喋りしながら書くという感じで手伝い始めたけど。二人とも明日は朝から授業があるというし。本当は早く帰りたいはずなのに、黙々と(厳密にはお喋りしながら)書いています。

このことを、さっき。本社でクリエイティブチームとの定例ミーティングのときに共有しました。「それ凄くいい話じゃない?」ということで、話が盛り上がり。

そして、我々は大事なことに気がつきました。

昨晩のできごとこそ、「仕事」ということの本質なんじゃないかということです。

「仕事」が本当に楽しいのは、「自分事」になったときだと思います。(僕の個人的な考え方なので偏ってる前提で聞いて欲しいのですが)

「自分事」というのは。

誰に言われるわけでもなく、気がついたらそのことを考えてしまったり、そのことを辞められなくなってしまったり、そんな感じのこと。

誰にでも経験ないですかね。子供の頃、放課後にリフティングの練習をしたり、外国のコインを一生懸命に集めたりとかとか。

ワークライフバランスという考え方とは逆行してしまうかもですが。仕事も生活も分ける必要がなくなっちゃう。どっちも自分なこと。

ちなみに、僕たちの会社の社長は、それを「公私根同(こうしこんどう)」なんて、冗談みたいに言うのですが。

ぼくはこの言葉がとっても好きです。

つまり、「自分事」になってしまったら、仕事も生活も、自分がやりたいことをしているという点で、同じワタシという名前の"根っこ"から生まれてくるものなので。

一つの根から育った幹や枝や実は、形は違うけど、同じ一本の樹。それはワークライフバランスではなくて、ワークとライフという形で、ワタシという樹に実るわけです。

僕は仕事で面白いこと思いついてしまったら、それをわざわざ遠距離中の恋人にテレビ電話して説明してみて感想を求めたりします。逆に、恋人との旅先で感動したことがあったら、それを自分の仕事でも真似できないかって考えてしまいます。

つまり、仕事も生活も分けることができない。

こういう働き方はもしかしたら一般的ではないかもしれません。それでも、こういう人生もいいな、自分にもそういう片鱗があるな、仕事ってもしかしたらお金を稼ぐことだけではないな、って。

アルバイトを通じて気がつけたら、すごくいいと思うんです。

昨日、ユウたちが黒板を書き直してたことはまさに自分事。あれをみて、この子たちはどこに行ったって、自分事を見つけられる、と思ったんです。

そういう子たちがお店にいることが、僕は無性に嬉しい。そして誇らしいんです。

改めて、ありがとう。

そして、これからも宜しくお願いします。

ちなみに、僕にも、やりたくない仕事がたくさんあります。そういうときは、その中に一つでもいいから、自分がやりたくなる理由を探してますら。原価とか人件費とか、ひたすら数字を入力する仕事は嫌いですが、その数字の背景にある物語を想像するのは好きです。数字の入力を1秒でも早くできるように工夫することもゲームみたいで好きです。

そんな感じで毎日楽しく働かせてもらってるわけです。

※写真は先月ロンドンで撮影したデリカテッセンの料理のポップ。原材料とグルテンフリー、ベジタリアンの表記。分かりやすいし、真似したいアイディア。

仕事と作業の違いは「意思」があるかどうか、ということを深夜の雑談で再確認した話。

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ホットコーヒーのお替わりを15時で止める。
 
 
この決定に対して、賛否両論が巻き起こった。
 
 
「いやいや、それはお店の都合じゃない。14:55に来店してくださったお客様に申し訳ないと思う」
「ああ、それはいいですね!ホットコーヒーのロスが減らせると思います
 
 
などなど。
 
 
 
アイドルタイムにデザートセット850円(好きなデザートと珈琲か紅茶)を始めます。
 
この提案に対して、それぞれに解釈の仕方があった。
 
「お客様にお勧めしやすくなりました!カフェタイムのニーズも掘り起こせそうですね」
「15時前に来店してくださったお客様はアラカルトの価格になってしまうので申し訳ない」
 
 
などなど。
 
 
 
 
 
 
僕はそういった一つ一つの「問題」に対して。
「正解」を求められます。
 
 
 
店長なので。
 
 
 
 
でも、ぶっちゃけ。
 
 
「正解」が分かりません。笑
 
 
というか、「僕が決めたことをみんなが守る」というのが、あまり好きになれない
 
 
 
 
 
なんでしょうね。
その人から「意思」を奪ってしまう気がする。
 
 
 
 
一昨日。
 
 
クローズ後にあっきーと事務所でおしゃべりしていたときに。
(彼女はときどき深刻な顔で「相談したい」と言いながら深夜に僕を拘束します。笑)
 
 
あっきー:「私、仕事が全然思うようにいかなくて」
店長:「うーん、そもそも仕事が”思うようにできる”ってどういうことかな」
あっきー:「私、効率も悪くて、皆に迷惑ばかりかけていて」
店長:「うーん、誰でも苦手なことがあるしね、僕もオーダーよく間違えるし」
あっきー:「私、どうしたらいいですか」
店長:「うーん、それは僕もわからない」
 
(省略)
 
 
 
という不毛な会話を1時間ほど続けたのですが。
3時間くらいでやっと、一つの結論に行き着きました。
 
 
 
店長:「あ、仕事の面白さって、自分の意思があるかどうかじゃない?いままで誰にも頼まれてないのに、してしまったこととかない?僕は小学校とのときに調理時実習で、プリンをつくれって言われたのに、ゴマ団子を作ったことがあるよ。失敗したけど」
 
 
あっきー:「前職で、商品(カーテンとか)の納品日をわざと自分のの休日にしてたんです。本来は工場からお客様に直接納品するオペレーションなんですけど。今までやり取りしていたお客様が商品を受け取ったときの喜ぶ顔が見たかったので。あと請求書には手書きの手紙を添えたりとか」
 
※彼女の前職はインテリアの受注販売です
 
 
 
 
 
 
 
 
 
アホですよね。笑
誰にも頼まれていないのに。
むしろ、上司に見つかったら怒られるのに。
 
 
 
でも、そんなことを3年間続けていたら。
インテリアを納品したお客様から、プライベートで自宅に招待されたり。
そういうこともあって、愉しかったんだって、笑ってました。
 
 
あっきーらしい。
 
効率は悪いし。
自意識が過剰だし。
自分の休暇もなくなる。
 
 
 
だけど、僕は好きです。この話。
なぜなら「仕事を通じて誰かと共感したい」という彼女の意志がある。
 
 
 
 
 
長くなりましたが。
 
 
 
僕らのお店の「正解」は「個人の意思」であって欲しいんです。
 
 
 
 
 
僕は店長なので。
「価値」をつくるために、皆で守るべき最低限のルールは決めます。
 
例えば。
 
珈琲のロスが多いと原価が重たくなってしまうので、人件費などが支払えなくなってしまうのは嫌だから、15時で一度止めることにする。
アイドルタイムの稼働率が低いので、新規の顧客を掘り起こすためにデザートのセットを始める。
 
 
 
 
 
その上で。一人ひとりはそのルールを理解した上で、「意思」を発揮してルールを破ってくれたらとても嬉しい。
 
 
 
例えば。
15時過ぎたけどポットにまだ珈琲が少し残っているから、「本当はダメなんですけど」なんていいながらサービスしちゃうとか。
14時にカフェ利用に来店してくださったお客様に、今日は席も空いているから、ゆっくりしてもらおうと850円のセットを提案しちゃうとか。
 
 
 
 
 
そのほうがいいです。
 
 
こんなこと書いたら怒る人いるかもしれないけど。
でも、それがほんとうの意味で「仕事」だと思うので。
 
 
 
 
 
冒頭の写真は恵比寿の写真美術館で展示されていたユージン・スミスの作品です。所属していた大衆雑誌「LIFE」(アメリカ)の求める条件を満たしつつも、自分の表現を守り続けた(最終的には対立して雑誌との関係は断ち切りますが)偉大な写真家。
 
 
 
 
 
僕はこんな仕事に憧れます。
 
 
 
 
:)