2017/07/03(”切迫感”を持っている人ほど、着実に”幸せ”になるかもしれない、という話)

 
 
 
 
お店にいると、スゴイことが起こる。
 
 
 
インスタでレイラが賞賛された件も。
僕にとってはスゴイことでした。
 
 
 
 
そのことについて少し書いてみます。
 
 
 
 
 
半年前くらいかな。彼女が面接に来たのは。
 
正直。最初は無理じゃないかなと思いました。お店で接客をさせるのは。
まだ高校生だし。もごもご喋るし。動きも鈍そうだし。
ここまで書くと、僕がすごく悪いやつみたいですが。笑
 
 
 
つまり、その当時の僕は想像できていなかったわけです。
半年後に彼女がお客様から賞賛される未来も。
仲間から愛されて、お店にとっては無くてはならない存在になるということも。
 
 
半年間で彼女は急成長しました。(まだまだ頑張って欲しいけどね!)
お客様に向ける笑顔も、つくれるドリンクの種類も、仲間との関係性も。
着実に一歩づゝ、ときには叱られながら、自分で掴んできた。
 
 
 
 
きっと、彼女の見えている世界は、半年前と現在では全く違う。
 
 
 
 
そうやって彼女が成長できた理由。
その一つは”切迫感”だと思います。
 
 
 
れいらが時々、話すことで。
 
「死んでも前のバイト先には戻りたくないです」
 
もともと、某ファミレスでバイトしていた頃に。
自分がやってもなことで責められたりして、結構辛い思いをしたらしいです。
 
16歳の女の子が、初めてのアルバイトで。
不条理に責められて、言い訳もできない。
追い詰められちゃいますよね。
 
 
それで、彼女はそこから逃げ出しました。
そして、ここなら大丈夫と信じて飛び込んできました。
 
 
 
だから。
 
 
「ここで頑張って、認められたい」「もう逃げ出したくない、あんな思いは二度としたくない」
そんな「切迫感」を根っこに抱えているんじゃないかと思うんです。
 
 
普通は排除したいですよね。
”切迫感”なんて。
自分の生活から。
 
 
 
でもね。
「ここで頑張るしかない」という気持ちが。
何かを変えたいときには、大きな原動力となることもあるんだって。
彼女を見ていて、僕はそう感じました。
 
 
 
それが、社会的に重要なことかどうかなんてあまり関係なくて。(世界中から飢餓をなくしたい!とか、戦争のない世界をつくりたい!とか)
すごく個人的な理由で全然構わない。(バイト先での苦い経験から開放されたい)
 
 
 
むしろ、個人的な理由であればあるほど、それは本当のことで、誰にも動かせない理由になる。
 
 
 
ちょっと話が逸れますが。
 
 
先月くらいに彼女にとって、とっても辛いことが起こりました。
それで、学校を辞めることを真剣に考えていたようです。
 
 
そのときに。
「学校を辞めても、ここでずっと働かせてもらえますか?」って。
 
 
 
スゴイね。
 
 
「ここしかない」と向き合い続けたら。いつのまにか、「ここがある」に変わってたんですから。
 
 
 
”切迫感”が”幸せ”につながっているなんていうことを。
彼女から僕は教えてもらいました。
 
 
 
もしも、自分の中に小さな”切迫感”を見つけたら。
大事にしていいんじゃないかな。
それが幸せになるための、入口かもしれないから。
 
 
 
:)
 

2017/06/28(”言葉”以上に伝わってしまうことがある、ということをお客様から教えていただいた、という話)

 
 
 
 
何を隠そう。
レストラン人生はまだ1歳の、よちよち歩きなものですから。
 
 
 
 
この1年間。
お客様に随分と叱っていただきました。
ときには、本社宛のメールで。ときには、置き手紙という形で。ときには、客席で。
 
 
 
 
そんな中でも。
 
 
「あそこで叱っていただいたから、いまの僕は一応、店長やれているな」と。
勝手にとっても感謝している話があるのです。
 
 
 
 
 
店長になってすぐの頃。
平日のランチタイムだったかな。
 
 
C15に大人3名様でコース料理をご注文したお客様。
僕は確か。アテンドか何かをしていたと思います。
 
 
 
事件は起きました。
髪の毛の混入。
 
 
スタッフから「お料理をすぐに新しいものにお取り返して、今は食事を続けてらっしゃいます」との報告で。それなら大丈夫かな、と僕は思ったんですね。食後のタイミングで、謝罪しに伺い、ついでにデザートでもサービスしておこうかと。
 
 
 
で、その通りにしました。
 
 
 
「先程は髪の毛の件でご迷惑おかけして申し訳ございません。こちら、お店からのサービスですので、もし宜しければお召し上がりください」
 
 
 
そしたら。そのお客様の表情が歪んだんです。
 
 
ぐにゃ、って。
 
 
「あのさあ、、、まあいいや。後で言う」
 
 
 
それで。
 
 
そのお客様。レジが空いているタイミングで会計にいらしてくださって。
 
 
 
「君、そんな働き方をして恥ずかしくないの?」
 
 
 
えっ、、、
 
 
 
一瞬、頭の中が真っ白になりました。
 
 
 
 
「まずさあ、順番が逆でしょ。デザート持ってくる前に、なんで責任者の君が謝りに来なかったの?それにさ、僕らの気持ちを考えてないよね?せっかくお店まで来て、ワクワクしながら注文した料理に髪の毛が入っていてさ。食事を続ける気になると思う?それを、デザート持ってきて、どうぞ、なんて言われても。これでさっきの件は許してくださいって、言ってるのと同じだよ。それはさ。いくらなんでも僕らのことを馬鹿にしていない?君は社長にお店を任せてもらってるんでしょ?お客さんのこと本気で考えたことある?軽く見てるのがバレバレだよ」
 
 
 
 
って。
 
 
 
すごく淡々と。
だからこそ本気なのが伝わってくる言い方で。
 
 
そのときは、足が震えました。
それから、営業中なのに泣きそうになりました。
情けないですけど。
 
 
 
とにかく悔しかったんです。
 
何も言い返す言葉が見つからなかった。
 
 
 
店長になって半年ほど経った今。このお客様の仰ってくれたことが。
本当にね。よくわかります。
 
 
お客様には伝わってしまうんですよね。
僕らが、どれくらい真剣にお客様に向き合っているか。
 
 
 
 
 
 
先日、ホリケーがお客様から賞賛を頂きました。
 
 
その文面の中に「接客業って こうでなきゃ?と、久しぶりに感激したサービスにあいました」という一文がありました。お客様の質問に対する、彼女の切り返しがウィットに富んでいて、感激したと。
 
 
でもね。きっと、それだけじゃないんです。
 
 
彼女の言葉の”根っこ”なんじゃないかなって。
ホリケーの根本にある”想い”みたいなもの。 
 
 
 
「お客様の大切な時間とお金を預かっているのだから、お店で素敵な時を過ごしていただきたい」
 
 
 
そういう思想が根本にあるから。
それが伝わったから、お客様は感激したんじゃないかな。
 
 
 
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さて。
 
 
どこまで本気でお客様と向き合っていますか?
「これぐらいでいいんじゃない」
そんな気持ちで、接客してませんか。料理をつくってませんか。
 
 
 
ドキッとした人は気をつけてください。
半年前の僕と同じように。
 
 
 
 
お客様にね。
僕らの”根っこ”は伝わってしまいます。
 
 
だから、お店はみんなが素敵な”根っこ”を育める場所でありたいですね。
本日も忙しいと思いますがウィットな営業を宜しくお願い致します。
 
 
:)
 
 
 

 

2017/06/26(食事は”予約”から始まっている)

 
最近、予約が増えてます。ありがたいことに。
例えば、6月の予約件数は281組(1646人)です。(当日予約を除く)
そのうち、76%の214組が電話予約。
 
 
月間30日で割ったら、1日7回は電話を受けてます。
 
 
 
 
今日は、そんな電話での”予約”について気がついたことを。
 
 
 
 
入社して最初の1年間。
僕は本社では最年少でしたから。
社内の飲み会はもちろん、先輩たちの社外の方との会食など。
レストランの予約ばっかりしていました。自分が参加しない食事の予約も。
 
 
 
あるとき、商品部の女性に褒められたんです。
 
 
 
「大ちゃんは予約をとるのが上手ね」と。
 
 
 
予約をとるのに上手とか、下手とか、あるのかナ。
と不思議に思ったので、どういうことか聞いてみました。
 
 
 
「あなたが予約すると、お店の人がすごく良いサービスをしてくれるのよ」と。
 
 
 
 
 
こういうことらしいです。
 
 
 
 
お店はお客様を選ぶ。
 
 
 
 
いいお店は、一生懸命に働くスタッフと素敵なお客様で満たされているべきだから。
お店が、そうじゃない人を取り除く、というのは自然なこと。
 
だから。
 
お店の人に、「この人にはサービスしたい」と思ってもらえるかどうか。
レストランを愉しむために、素敵なお客様になれるかどうかがポイントらしいです。
 
 
 
じゃあ、どうしたら素敵なお客様として認定してもらえるのか。
 
 
 
重要なのが、予約の仕方なんですって。
 
 
1)予約の電話を”いい時間”にしているか
 
お店にとって、”いい時間”は2つあります。
ランチの営業が終わってホッと一息ついているお昼過ぎ、14:00〜15:00。
ディナーの営業を頑張ろうと気合が入り始めている夕刻、16:00〜17:00。
 
 
2)来店の目的や、自分が何者かを伝えているか
 
まず前提として。
殆どのレストランはお客様に喜んでいただきたいと考えています。
なので、喜ばせるためにお客様の情報が欲しいので、それをきちんと共有すること。
「ミヤガワと申します。お忙しい時間に申し訳ございません。初めて電話をさせていただきました。同僚の送別会で●月●日に10名で予約したいんですけど。仕事柄、食べるのが好きな人が多くて、友人からそちらのお店を強く勧められて、電話をしてみました」
 
 
 
 
さて。
 
 
何が言いたかったかというと。
 
 
今、お店で予約を受ける側に立ってみて。
先輩の言っていたことが本当によく分かるんです。
電話のやり取り一つで「サービスしたくなる」ってあるんですよね。
 
 
「すごく料理が美味しいって聞いて、電話してみたんですけど」
なんて言われたら、期待よりももっと美味しい料理を召し上がっていただきたいと思います。
 
「この間、友だちと行って美味しかったので、今度は家族で行きたいんですけど」
この人の顔はわからないけど、お店の大事な常連様だ、早くお会いしたいなって思います。
 
 
 
逆に言えば。
 
 
お客様も予約の電話での僕らの対応をみながら、
「いいお店かどうか」「愉しみにしていいかどうか」を見極めています。
 
 
”料理”よりも、もっと前に、”予約”でお店を味わっているわけです。
 
 
 
電話の対応が気持ちよかったな、当日が楽しみだわ。
座席の場所にまで気を遣ってくれるなんて、分かってるわね。
お会いできるのを楽しみにしていますって、なかなか普段言われないけど嬉しいな。
 
 
 
みたいに。
僕がそうでしたから。
いいお店は、大体、予約のときから感じが良いのです。
 
 
 
だから。
 
 
”予約”から食事は始まっている。
そう考えてみてください。
 
 
そうしたら、お客様を喜ばせるチャンスが増えますしね。
 
 
毎月、予約の数が増えていっているのも。
こんなこと僕が書くまでもなく。
みんなが素敵な”予約”をしてくれているからでしょうね。
 
 
 
 
いつもありがとうございます。
 
 
 
:)
 
 
 
 
 
 
 
 

2017/05/07(人件費について考えてみました)

 
 
人件費を”管理(削減)するもの”ではなくて、”分配するもの”って考えてみたら、腑に落ちた話。
 
 
 
 
誰も気がついていないかもしれないけど。
僕は4月に入ってから人件費を毎日算出しています。(今までは週ごとでした)
まったく店長らしい仕事を始めたわけです。
 
 
で。
 
 
最初は正直ちょっと気が滅入りました。
 
 
ついつい、「この時間は削れるんじゃないか?」って着想になるんです。
そうすると、誰かの一挙一動に対して。
 
「無駄がないか?」
「生産性があるか?」
 
ということばかり気になっちゃう。
 
 
店長としては当たり前なのかもしれないけど。
何だか嫌だなあと。
 
 
ちなみに。
 
 
人件費は30%というのが健康的な数字です。
業態によって様々ですが、食材原価と人件費を合わせて60%程度。
そうすると、10%程度の利益が出る。
これが飲食店の一般的なビジネスモデル。
 
 
 
例えば、平日の売上が24万円だったとします。
すると、24万円の30%=7万円が人件費として適正な値です。
7万円ということは、1人あたりの時給が1000円だとすると、その日の適正な労働時間は70時間。
※交通費や福利厚生費などで実際の時給よりも会社は多くのお金をつかっています
 
簡単に試算してみましょう。
 
ランチ:9人*6時間=54時間
ディナー:4人*6時間=24時間
合計:78時間
 
 
これだと「あと8時間削る必要があるじゃん!」となります。
 
 
でも、想像してみてください。平日の営業。
8時間削ると結構しんどいですよね。
 
ランチを8人体制にするか、ディナーを3人体制にするか。
あるいは、削れるところで1時間づつ削るか。
んー、十分なサービスができなそう。
結果、お客様も離れてしまうかも。
悪循環!!
 
 
 
それでですね。
 
 
 
発想を逆転してみました。
 
 
 
”管理する”→”分配する”
 
 
 
いや、同じじゃん!というツッコミは拒否します。
僕の中では全然違います。
 
 
24万円売り上げたら7万円を分配できる。
 
 
足りない分はどうするか?1万円足りなかったら?
 
 
土日に1万円多く売上を上げればいいです。
 
あるいは、平日のディナーに来てくださったお客様にもう一度来てもらえるようにいつも以上にサービスを頑張るとか。あるいは、平日のランチに来てくださったお客様にディナーや週末にも利用してもらえるように働きかけるとか。そうやって、ちょっとずつ売上を伸ばしていけば分配できる”人件費”が増えていきます。
 
 
 
 
人件費を管理して帳尻を合わせるよりも、売上をつくって分配できる金額を増やしたい。
 
 
 
 
何よりね。
 
 
 
土日って人がいっぱいいて休憩室とかも賑やかでいいじゃないですか。
 
 
僕ら労働集約型ビジネスモデルの魅力の一つは”仲間と顔を合わせて仕事ができる”ことだと思うんです。だから、平日のディナーだってみんなで頑張って、もっとお客様を集めれば、分配できる”人件費”も増えたりして。スタッフも増やせるから、仕事が愉しくなるんじゃないかなって思います。
 
 
 
 
分配。
 
 
 
:)
 
 
 

2017/05/03(”常連さん”が増えると、仕事がもっと楽しくなるかも、という話)

 
 
”常連さん”が増えると、働くのが楽しくなるよね、というお話。
 
 
 
 
昨日のディナータイムは”常連さん”ばかりでした。
 
 
 
 
むしろ全ての卓。見覚えのある方たちで。
なんだか嬉しい気持ちに。
 
 
 
飲食店的には「顧客のリピート率を上げて、売上を最大化させる」という側面で喜ばしいことですかね。でも、もっと僕らの視点で考えることもできます。これでいいのかは分かりませんが。笑
 
===
 
●”常連さん”が来店されると、嬉しくなります。
 
●嬉しくなると、会話が弾みます。
 
●会話が弾むと、働くのが楽しくなります。
 
●働くのが楽しくなると、仕事が好きになります。
 
●仕事が好きになると、もっといい接客ができるようになります。
 
●もっといい接客ができるようになると、”常連さん”が増えます
 
===
 
良い循環だ!
 
 
ベーコンおじちゃんに「こんな面白い本見つけましたよ」と話したくなる気持ちとか。
Kさんが「幼稚園の茶話会の幹事になったので宜しくね!」とわざわざ報告に来てくることだとか。
「2日連続できちゃいました、すいません」とか、むしろ、ありがとうございます!って言いたくなるのとか。
 
 
 
もちろん、接客にも色々あります。干渉されたくないお客様もいます。
例えば、毎週、レモネードを飲みながら読書している婦人のお客様。
喋ったことはないし、その必要もないのかもしれません。
それでも、僕は見かけると嬉しくなります。
 
 
 
”常連さん”が増えると、仕事がもっと楽しくなる、かも。
 
 
ゴールデンウィークは新しいお客様が増えます。
未来の”常連さん”との出会いもあるかもしれません。
皆さん、宜しくお願いします。
 
 
:)

 

2017/04/23(スペインでもコドモたちは走り回っていた、けれども。)

2017/04/23
 
 
お土産話シリーズ第2弾。
 
 
スペインでもコドモたちは走り回っていた、けれども、それを咎めるオトナはいなかった。という話。
 
 
 
 
今回の旅では”美食の都市”と呼ばれるサンセバスチャンに4日間ほど滞在してきました。
 
 
 
サンセバスチャンというのは人口18万人ほどの小さな都市です。
青葉区の人口は30万人
 
 
 
その小さな街にミシュランの三ツ星レストランが3店、二つ星が2店、一つ星が4店。
さらに、「世界のベストレストラン50」にランクインしているレストランが2店舗も存在します。
※日本でランクインしているレストランは2店舗
 
 
 
それで「美食の都市」なんて呼ばれているわけです。
どうして、そんなことが起きたのか。
その話は長くなるので、今回は割愛。
気になる方は下記の書籍に詳しいです。
 
『人口18万の街がなぜ美食世界一になれたのか―― スペイン サン・セバスチャンの奇跡』
 
 
 
 
さて、旅行の話に戻ります。
 
 
ここサンセバスチャンには「バル」と呼ばれる、立ち飲みのお店が沢山あります。殆どのお店にはカウンターに大皿で「ピンチョス」(バゲットの上に食材を乗せて串で指したもの)が並んでいて。お客さんは好きなものを勝手に摘みながら、お酒を飲むというスタイル。
 
 
 
そして旧市街には、細い路地に所狭しと、小さなバルが何百軒と存在しています。夜になると、街中の人たちがここに集まってきて、みんなワインやビールを片手に宴を始めるわけです。
 
 
 
また、独特の「はしご」(一つのお店で食事を済ませるのではなく、何件ものお店で少量づつ食べる)という習慣も。それぞれの「バル」には得意な料理があるので、みんなお目当ての一品だけ食べて、次のお店へ移動したり。
 
 
これが、また愉しいのです。
 
 
ということで。僕らも毎晩7〜8軒の「バル」で食べ歩いておりました。
 
 
まずは、あそこで巨大マッシュルームのピンチョスを食べてビールで乾杯しようか。
次は、そこの海老のピンチョスが美味しいらしいから、白ワインとどうでしょう。
あ、あそこの蟹のラビオリは人気らしいから食べてみませんか?
そろそろメインで、あのお店で牛頬肉の煮込みと赤ワインにしようか。
〆はあのお店のポルチーニのリゾットか、或いは、あっちのチーズリゾットですかね。
あ、ここのチーズケーキは人気らしいから持ち帰れるか聞いてみる?
 
 
 
みたいに。
 
 
 
とにかく、この街の人達は、よく飲むし、よく食べる。
楽しくなりすぎて、踊ったり、歌ったりしている人もいます。
美味しい、と、愉しい、が溢れている街なんです。
 
 
 
 
 
それでね。
 
 
 
 
 
 
バルが集まるエリアには必ず広場があるんですよ。
なぜなら、教会があるから。
 
 
 
 
 
そして、その広場。
夜はコドモたちの”遊び場”になっていました。
 
 
 
サッカーボールを追いかけている子もいれば。
友だちと追いかけっこをしている子もいる。
地べたに玩具を広げて遊んでいる子もいます。
 
 
 
夜の21時とかですよ。笑
 
 

 

 
コドモたちが広場で走り回っている間。
オトナたちはもちろん、バルで飲んでおります。
 
 
 
毎晩、そんな光景を眺めていたらね。
これは「いいな」って思いました。
 
 
 
オトナもコドモも各々に楽しい時間。
オトナもコドモも各々に楽しめる場所。
オトナもコドモも各々に楽しんでいい文化。
 
 
 
 
 
誰も子どもがうるさいからと言って嫌な顔はしません。
誰も子どもを放っておくことで責められることもありません。
 
 
 
なんか、いいんですよ。
 
 
 
それで思ったんです。
僕らのお店にはテラスがあるじゃないですか。
 
 
オトナたちがビール片手に食事を楽しみながら。
コドモたちがテラスで遊んでいるのを嬉しそうに見守っている。
 
 
そんな景色は素敵じゃないかって。
 
 
旅先の広場で見た景色を。
自分たちのお店でも見られたら嬉しいなって。
 
 
 
きっと、みんなも好きだと思います。
あの景色。
 
 

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:)
 
 

2017/04/16(ガウディから学ぶ、良いチームについて)

 
旅先での気付きシリーズ。
チームづくりについて、ガウディの話。
 
 
 
 
バルセロナに到着した日のこと。
かのサクラダファミリアの鑑賞は現在、完全予約制。
(※サクラダファミリア:https://goo.gl/7aqgTP)
 
 
彼女が18時に予約をしておいてくれました。
何件かバルを梯子してから、ほろ酔い気分で、いざ。
受付でチケットを提示したのですが、何故かエラー。
 
 
 
あれれ。
 
 
受付のお姉さんも、「おかしいわね」みたいな顔してます。
それで、チケットをよく見てみると、あ、日付が違う。
「4月8日」昨日の予約ですよ、これ。
 
 
あら。
 
 
 
交渉してみるも。
「無理なの、ごめんね」とのこと。
 
 
ディナーは20時にレストランを予約してあったのですが時間が空いてしまったので。
こうなったら美味しいものを食べるしかない、と。
イカ墨のパエリアが美味しい、と評判のレストランへ飛び込みました。
 
 
サクラダファミリアを観られなかった記念ということで。
ふたりでスパークリングのボトルを開けて、乾杯。
 
 
僕が到着する3日前からバルセロナでガウディ建築を散策していた彼女。
どうやら関連する書籍なんかも読んだみたいで、面白い話を聞かせてくれました。
 
 
彼女が読んだ一冊の本に書いてあった、ガウディの言葉。
 
 
「ものをつくる人間をダメにする確実な方法は、全体を考えさせず、細かい作業をひたすら義務としてやらせることです。そうするともう、現場での新しい発想が生まれてこなくなるだけでなく、いかに手を抜くかということばかり考える人が現れ、図面通り100%のものすらできなくなる(またそもそもの図面に誤りがあった場合にも、職人たちの直感によって、それが「おかしい」と指摘されることも起こりにくくなります)。」(光文社新書『ガウディの伝言』より)
 
 
 
これをレストランの話に置き換えてみたんです。
 
 
 
「接客をする人間をダメにする確実な方法は、お客様のことを考えさせず、細かい作業をひたすらオペレーションとしてやらせることです。そうするともう、現場での新しい発想が生まれてこなくなるだけでなく、いかに手を抜くかということばかり考える人が現れ、実現したいサービス通り100%のものすらできなくなる(またそもそものサービスに誤りがあった場合にも、スタッフたちの直感によって、それが「おかしい」と指摘されることも起こりにくくなります)。」
 
 
もちろん、フロアだけでなくて、キッチンも同じ。
 
 
「料理をする人間をダメにする確実な方法は、お客様のことを考えさせず、細かい作業をひたすらオペレーションとしてやらせることです。そうするともう、厨房での新しい発想が生まれてこなくなるだけでなく、いかに手を抜くかということばかり考える人が現れ、実現したいレシピ通り100%のものすらできなくなる(またそもそものレシピに誤りがあった場合にも、調理人たちの直感によって、それが「おかしい」と指摘されることも起こりにくくなります)。」
 
 
 
ちょっと大袈裟かもしれないけど、間違ってないんじゃないかな。
 
 
 
 
 
さて、1882年に着工してから100年以上。
まだまだ完成していないサクラダファミリア。
実は1926年にガウディが亡くなったときに一度だけ。
建造を続けるべきか議論になったそうです。
 
 
なぜなら、彼は仔細な設計図というものを何も残していなかったから。
 
でもね。
結果、建造は継続されることになったんですって。
弟子たちや、その時代ごとの建築家が、彼の意思を汲取るという形で。
ガウディは敢えて設計図を残さないことで「ものをつくる人間」を「ダメ」にしなかった、というお話。
 
 
いい話ですね。
 
 
ということで、サクラダファミリアは観ていませんが。笑
美味しいパエリアとガウディの名言を咀嚼した、スペイン初日の話でした。
 
 
 
:)